2016年 02月 23日 | 福祉 | Posted by ブログ管理者

弊社の運営する社会活動である「ソーシャルケアデザイン」のコアメンバーが企画・実施する、JIDA主催の福祉&介護アイデアソンが行われた。

場所は、六本木一丁目にある富士通デザイン運営の「HAB-YU platform」
活気あるイノベーションスペースだ。
(同社はほど近くに「テックショップ」も立ち上げた。共創の場づくりに真剣に取り組む代表選手である。)

●HAB-YU platform
http://hab-yu.tokyo/

●テックショップジャパン
http://www.techshop.jp/

当日は札幌市立大学理事長・学長である蓮見孝氏を基調講演に迎え、まずは蓮見教授の実績などをご披露いただく。デザイン&アートというものが、ソーシャルケアの分野...今回は病院での場づくり・人間関係づくりに、如何に機能するものかを語って頂いた。

冒頭の
「病院の中は、日常生活ではありえないことが普通となっている。
個人それぞれの生活ペースにあわない効率をベースとした集団生活、プライバシーの無さ。淡々と配給される食事?!患者側はいつの間にかこれが普通と思ってしまう。
もっと、院内が豊かに且つ闘病期間の質をあげることが、デザイン&アートにはできるはず」
というメッセージには今更ながらに、はっとさせられる。

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札幌市立大学の蓮見教授による基調講演。
病院という場をアートで変えた、アプローチの数々をユーモラスな語り口でお話頂き、
ともすれば重くなりがちな話題も楽しく共有頂いた。

引きつづいて、アイデアソン。
ソーシャルケアデザインのメンバーであり、これからの介護士業界を変革すると期待される、秋本可愛さんによる話題提供。現場で今、何が起こっているかのレポートを皮切りにワークのキックオフ。

●HEISEI KAIGO LEADERS
http://heisei-kaigo-leaders.com/

ファシリテーターは、福祉アイデアソンのトップランナー、お馴染みの須藤順
●Social Care Design
http://care.trinitydesign.jp/

今回はテーマを「食まわり」として、日々の課題意識と現場の声などを受け止めた上でのワーク。

実はアイデアソンにおいて、課題をどう設定するか。これが鍵となる。
JIDAのメンバーもいるとあって、初回ながらグループワークのアウトプットはかなりのレベル。
合計、5つのアイデアが創出された。

講評段階では、辻安全食品株式会社の辻社長(御本人は医療コーディネーターでもある)もゲストで参加し、介護の現場からみるアウトプット評価に加え、生きる・老いる・楽しむ、といった本質的な視点でも議論が交わされた。
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ワークショップ中の風景。おしゃれな雰囲気、考えることが楽しくなる工夫が随所に
こらされた共創の空間で、のびのびとワークに挑む参加者。
ディスカッションでは各所で笑い声が絶えない。


中でも、私が特に注目したのは、福祉施設の「食のシーンを豊かにするための大テーブル」のアイデア。

現在の福祉施設の食の現状に対して「介護者、入居者皆で食事をする」。
そしてその大テーブルにプロジェクションマッピングで様々なビジュアルや情報を出して「食卓のテーブルセッティングをその日によって変える」「季節の風景をテーブルで映して季節感を出す」「入居者さんの思い出ある出来事などもそこで皆で情報共有する」ことが出来る、大テーブルだ。
この大テーブルによって、皆がひとつになり楽しい情報が共有できる。
高齢者の脳の活性にも役立ちそうだし、介護者の作業プロセスも慣れれば改善できる可能性がある。

そこでふと思ったのが、グーグルのこと。
現在、建築家ノーマンフォスターがカルフォルニアの新本社を設計しているが、ここは自然環境に配慮しているだけでなく、どれだけ文化や専門分野の異なる社員の「共創の場」をつくれるか~にも挑戦している。
そこでは言うまでもなく「社員への食」についても真剣に検討され、食が如何に体調管理や精神管理だけでなく、組織をイノベーティブにするか~の視点で様々な施策が実践される。
MITも加わって、食を栄養学からではなく、サイエンスからアプローチしているようである。

その場に、このチームが生みだした大テーブルは、なかなか活躍しそうである。
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最終プレゼンテーションの一コマ。
デザイナーの方が参加していることもあり、アウトプットは視覚化されたものが
多数。いずれもイメージが共有されやすく、会場からは共感の声があがった。

働く場において、食そのものの重要性・食べること・食べるときの環境を考えるフェーズに入ってきたが、そこでは単に見た目が綺麗で美味しい食事を出すだけではなく、どう食べるかが大切になると思う。

異なる文化、宗教、価値観の違いを超えて、マネジメントする側、される側の垣根をこえて、そして食べる、対話する、創発する~の曖昧性を助長して・・・。

福祉の課題を考えるとき、それは福祉デザインをどうするか~ではなく、福祉領域以外の課題にも転換して、私達の今と未来を拡大して考えることが出来るものなんだと、
しみじみ実感する一日でした。

トリニティ 湯浅(ソーシャルケアデザイン・メンバー)

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