2013年 09月 26日 | VIETNAM | Posted by Ozawa

ベトナムのホーチミン市は、数日間の滞在経験だけで言わせてもらうならば、落ち着いた清潔な街という印象。新興国特有のエネルギーに溢れてはいるのだが、猥雑という感じはあまりせず、全体的に落ち着いた佇まいがあった。

初めて訪れる街の印象がどこから来るかといえば、筆者が思うにそれは、看板の色使いであったり、人々が話す声のトーンであったり、匂い(時として臭い)であったり、服装であったり、運転マナーであったり。

清潔とは言っても、トイレとカウンターが一体となった路上の簡易カフェのような、われわれ日本人にとっては衛生的なのか不衛生なのか、よく分からない不思議なモノがあったりもする。

カウンターとトイレが一体のホーチミン簡易カフェ.jpg
カウンターとトイレが一体?になった簡易カフェ。奥に見える扉2つは物置スペースではなくトイレ。換気扇まで付いているようだが・・・

そんなことを考えつつ、車の中からバイクの群れを見ていて、ふと、これだけ沢山の若い人がバイクに乗っているのだから、中にはやんちゃをするというか、「とがっている」連中がいやしないのだろうか~と思ったのだが、どうもいないようである。社会主義国家だったがゆえ、社会に唾する暴走族のような輩はすぐにお縄になってしまうのだろうか・・・と、その時あるものが目に入ってきた。壁の落書きである。

その後も壁に注目していると、市内のところどころ、壁に落書きがされている。殆どが単色のスプレーで書かれた文字。ベトナム語はラテン文字を使うからか、字体はどこかで見たようなストリート系な感じ。大がかりな落書きはなく、絵は殆ど見なかった。こう言っては何だが、ワルぶった中高生のいたずらレベル。

ホーチミンの落書きスタイル.jpg
字体には一応のスタイルがあるようだ。

ホーチミンのサイケ文字な落書き.jpg
サイケ文字も。

とすると、やっぱり悪ガキ連中の仕業じゃないか。さっそく通訳のメジロさんに聞くと「(そんなのは)いませんよ」とのこと。「じゃあ、メジロさんは落書きをどう思う?」と聞いたところ、彼女は落書きを非常にポジティブなものとして評価していて、アートの一種だと言わんばかりの評価をしていた。彼女は国立大学で外国語を学ぶ学生さんなのでベトナム人の平均像とは言えないかもしれないが、そういう受け止め方をする事に新鮮な驚きを感じた。

そんな会話の折、車中から壁ばかり見ていると、電話番号らしき落書き?があちこちに書いてあることに気がついた。何か特定の業者の電話番号かなと思ったのだが、よそ様の壁に勝手に書くなんて逆に商売上の信用を無くすのではないか。そこで確認したところ、営業目的というのは正解だったけど、何と解体業者の電話番号だった。要は、こちらの建物を壊す時は是非ご用命を、という事だ。そう聞くと、なんだかその壁が古く見えてくるから不思議だ。

落書きと解体業者の電話番号に共通するのは、昔電話ボックスによく貼られていたピンクチラシのようにびっしりと溢れているのではなく、適度にポツンポツンと存在していること。そんなところもベトナムっぽいなと思った。

ホーチミンの壁には解体業者の電話番号が.jpg

幼稚園などの子供向け施設があるところは、看板が読めずとも壁のペインティングを見ればすぐに分かる。車やバイクを運転している人に無意識に注意させる効果があるのかなと思った。

ホーチミンの幼稚園壁面.jpg
いかにも子供向けの施設だと判るペインティング。なぜか塀の壁だけがカラフルだったりする。

壁面緑化と言ったらよいのか、こんな緑化された通りもあった。手入れがお留守な感じが少し残念だったが。囲いに写真が貼られた工事現場があったり、景観を少しでも改善しようとしているのだなと感心した。

ホーチミンの壁面緑化.jpg
ほんの一区画だけ、垂直緑化。

ホーチミンの工事現場仮囲いの写真.jpg
工事現場の囲い。主旨はよく分からないが、世界各国の風景写真が。

そんなこんなで、壁を眺めているだけでもその場所の特徴が見えてくるものだなと思ったベトナム道中であった。

Posted by Ozawa

Financial Officer

左脳をフル活用し、トリニティメンバーをバックアップ。トリニティ・ストラテジー・インディア設立時の立役者。

2013年 09月 10日 | その他 | Posted by Yuasa

このたび、弊社のデリーのメンバーが、CII 主催の「インド・イノベーティブ・
省エネルギー大賞」を受賞した。
なんと、マルチ機能のソーラーLEDランタンがその大賞受賞プロダクト。

写真でもわかるように、従来の「ランタン」のイメージを一掃し、デザイン言語を組み替えている。しかもこの製品のユーザー対象はインドの農村部の人たちなので非常に保守的でもあることから「ランタン」のアーキタイプからは逸脱しない表現としている。

*CIIとは、製造業やエネルギー関連のサービスも含めたインドの業界団体。
 彼らが、省エネルギーに貢献する「製品&サービス」を対象にコンペティションを
 行っている。

1_SolarLanternCharging_layout.jpg

インド人女性とランタンre.jpg

■農村部に暮らす人たちのランタンへの想い
私達にとって「ランタン」は、キャンプに行く時や防災グッズアイテムとしてお世話になるくらいで、決して日常にあるものではない。よってなかなかピンと来ないのだが、インドの農村部では、朝昼晩と屋内、屋外で、日常的に明かりを灯す道具であるゆえに「心のよりどころ」ともいえる。

従来のランタン.jpg

インド農村部では照明はすべての住宅にインフラとして付帯しているわけではなく
明かりのとれない部屋もあったり、あるいは細かな作業や勉強するには照度が不足する場合も多々ある。また、居住する家以外に納屋があったり或いは、家にトイレがなくて、外で用をたす場合などには、このような移動式の光源が必須。

そんなランタン製品は現在オイル式からLEDへとバージョンアップしているのだが
今回ハリ氏が手がけたランタンは5つの機能を持ち得た製品で、テーブルランプ、
移動してどこにも設置、ハンギング、手持ち、携帯チャージ可能~の5つのマルチファンクションになっている。

RoomLamp_and_SolarBulb.jpg
1.ルームランプ         2.ポータブルランタン

ソーラー懐中電灯jpg.jpg
3.懐中電灯

吊り下げ式電灯re.jpg
4.吊り下げ式電灯

ソーラーランタン2re.jpg
5.モバイルバッテリー

加えて、この製品は、プラスチックの使用量を減らし、生産コストを20%も
軽減することに成功し、売値では、Rs1000(日本円で1700円前後)・・・
まさにイノベーティブな逸品。

■受賞にあたって、デザイナー「ハリ キシャナン ナラン」氏は・・・

「デザインによってプロダクトイノベーションが実現できることがまたひとつ証明された。このLEDランタンによって農村部の生活スタイルも変わるものと思う。
日常におけるランタンは陽が降りた後の長い時間の「家族のよりどころ」となる。それを見える化するために、光源が素直に大きく見えること、頑丈なフォルムに
意識して決して洗練させすぎないことを狙った。」

hari-san_3rere.jpg
ハリ キシャナン ナラン氏

今回、ハリ氏にデザインを依頼して省エネルギー大賞に応募を促したのはIOCL
というインド最大の石油会社。その石油会社が「デザイン」によって省エネルギーに貢献する、クリーンでサスティナブルな企業イメージへ脱却しようとしているのが伺える。

弊社では、2年間にインド都市圏で「エコ意識」の調査をした時は、上位中間層でも、エコや省エネ、環境問題には関心は薄いという結果だったのに・・・
やはり、スピード早い新興国。成長率の鈍化がメディアで叫ばれつつも、私達よりずっとずっと意識変革のスピードは高速なのだと実感した。

ハリ・キシャナン・ナラン氏
プロダクトデザイン会社「THINKDESIGN」代表。
インドでもっとも歴史のあるNID大学を卒業後、独立。
現在は、トリニティとの合弁会社である、デザインリサーチ会社のトリニティ・ストラテジー・
インディア社の代表も努め、同社ではインド全土での市場調査、デザイン調査、有識者調査、
B2B調査などを推進する。

Posted by Yuasa

Trinity COO

トリニティ代表。日本のデザインポテンシャルの向上の為、持てる気力・体力・知力を尽くして新興国を飛び回る日々。

2013年 09月 10日 | VIETNAM | Posted by Yuasa

ホーチミンの、とあるベジタリアンレストラン。
客層は中間層、あるいはそれ以上。
そして(たまたまだろうが)ベトナムでは著名なお笑い芸人も見かける。

ホーチミン市内のベジタリアンレストラン.jpg
ホーチミンのベジタリアンレストラン。インテリアも健康志向よろしく、明るく爽やか

ご存じの通り、インドに比べてもこの国のベジタリアンはかなり少ない。
とはいえ、宗教要因のみならず、健康指向、美容願望によるベジタリアンは
最近増えているのだそう。

見回すと客層も、ちょっと私は違うのよ~
っていうオーラも出ているのは気のせいか...。

ベトナムはおよそ8割が仏教徒。
そして、毎月1日と15日は菜食にするのが仏教徒の慣わしなんだとか。

そして、それとは無関係に野菜で美容と健康を願う中間層が
急増していたのである。

ホーチミン市内のベジタリアンレストラン:肉ではなくお豆腐.jpg
肉を模した料理。実はお豆腐。精進料理に近しいアプローチ

ホーチミン市内のベジタリアンレストラン:ココナッツの中身はスープ.jpg
ココナッツをくりぬいた中身のスープは具沢山の野菜スープ

ホーチミン市内のベジタリアンレストラン:フルーツジュースは絞りたて.jpg
フルーツジュースは絞りたて

しかし未だ、その野菜を無農薬で...という意識はなく、
スーパーに行ってもインドや中国のように無農薬コーナーは見かけない。

ネットで無農薬野菜や食材を買う習慣もまだないが、
それも経済発展と世界の均質化の流れとともに、時間の問題かもしれない。
ベジタリアンやオーガニックフードの浸透度合いは、
「豊かさを図るものさし」になることもありますね。

Posted by Yuasa

Trinity COO

トリニティ代表。日本のデザインポテンシャルの向上の為、持てる気力・体力・知力を尽くして新興国を飛び回る日々。

2013年 08月 09日 | THAILAND | Posted by Fukazawa

タイ、バンコクを歩いていると、黄色を背景にした国王の肖像画が、さまざまな
場所に存在していることに気付く。

00_バンコク中央駅のプラットフォームにある国王の肖像画.jpg
バンコク中央駅のプラットフォームにある国王の肖像画。

01_バンコク市内幹線道路にある国王の肖像画.jpg
バンコク市内、幹線道路にある国王の肖像画。

現地の人々に聞いてみると、現在の国王、ラーマ9世は治世の手腕のみならず、
その人柄も含め、国民から絶大な人望を集めているという。

02_ワットアルン前の国王の肖像画.jpg
ワットアルン前の国王の肖像画。

今は亡きラーマ9世の母は、1988年に森林保護と麻薬撲滅としてタイ山岳部に森林プロジェクトを立ち上げ、今まで生活の為に麻薬を作っていた人々に農作物を作る
技術を伝えることで彼らの生活基盤の改善を図ったのだが、このようなタイ王室主導の開発プロジェクトは、現国王の元、現在も進められているとのこと。
国王が慕われている背景に、国民を思う慈悲深い人柄があることを思わせる。

ちなみに、なぜ肖像画の背景が黄色かというと、今の国王を象徴する色は黄色
だから。

というのもタイでは曜日毎に色があり、「生まれた日の曜日色」をラッキーカラーとして大事にする風習がある。
現国王は月曜日生まれで、月曜日の曜日色が黄色なのだ。

各曜日色は、日=赤、月=黄、火=ピンク、水=緑、木=オレンジ、金=ブルー、土=パープルとなっており、この風習はヒンドゥー教の神話に基づいているとの
こと。

このように国王の人望と曜日色の風習が重なり、国王の誕生日(12月5日)には、国民が黄色のモノを身に着け、生誕を祝福する姿を至る所で目にすることが出来るそうだ。

人の性質について話す際、よく『あの人のカラーは・・・』と言うように、カラーを個性や人柄という意味で使う場合があるが、タイでは生まれた曜日によって、その人のラッキーカラーのみならず、基本的な人柄や性格も定められているようだ(あくまで占いレベルだが)。
なので、タイでは(日本で相手の血液型を聞くように)人の誕生日を聞くことが一般的らしい。

なんだか、この占い好きな部分にも、同じアジア人としてちょっと親近感が湧いていくる。

Posted by Fukazawa

Design Producer

海外のデザイン・トレンドの事情通。トルコやブラジルなど、新興国の情報収集に余念がない。

2013年 07月 08日 | THAILAND | Posted by Sakurai

日本人のロングステイ希望国・地域の1位はマレーシア、2位はタイである(2011年度、ロングステイ財団調べ)。タイの魅力はいったいどこにあるのだろうか?
日本に比べて物価が安い(月20万円でゴルフ三昧?)、欧米に比べ日本に近い(戻ろうと思えばすぐ戻って来られる)、寒くない(暑いけれども、寒いよりは暮らしやすい)といった理由はすぐに思いつきそうだ。

先日初めてタイ・バンコクに出張したのだが、百聞は一見にしかず。
「住んでみてもいいかなあ」と思わせる、何ともいえない魅力があるのに気づいた。
以下、独断と偏見で、タイに住みたくなる(なった?)理由を紹介しよう。

第一に挙げられるのは、ホスピタリティにあふれていること。礼儀正しいと言ってもいいかもしれない。老若男女みんなが、手を合わせて挨拶をする(ワイとよばれる)。日本人も同じ仏教徒だからなどと思って、ついつい真似をしてしまう(普段は仏教のことなんか考えたこともないくせに)。ただ、この習慣が日本人にとって何%かタイの好感度をアップさせているのは間違いないと思う。

ほほえみの国タイのドナルド.jpg
老若男女が手を合わせて挨拶をする光景がよく見られる。
ドナルドも「微笑みの国」ではご覧のとおり。

第二にメシがうまい。街中に屋台がひしめいていて、あらゆる食べ物を売っている。現地の高級マンションを見ると、意外にキッチンが貧弱。現地の人に言わせると、屋台で買ってくればたいていの料理は事足りるので、家で調理をする必要がないのだとか。調べてみると、本当だった。タイの都市部では外食の食料品支出全体に占める割合は35%、中食(調理済み食品を家庭で消費)も含めると59%にも及ぶ(タイ国統計局2011)。ちなみに日本では外食、中食合わせて3割程度である。

そう言えば、定食チェーンの「大戸屋 ごはん処」が2005年に最初に海外店舗を開いたのがバンコクだった。現在ではタイ国内で40店舗近くを展開している。メニューは日本と変わらない定食で、値段は250バーツ前後。これは日本での値段とほとんど変わらないから(800円くらい)、現地の感覚ではちょっとだけ贅沢なレストラン。大戸屋が海外初出店にタイを選んだのは、もともと米食文化の国である、親日的で日本料理の店が多い、魚をはじめ食材の質が高いのが、その理由だったそうだが、これだけ成功しているということは、日本人とタイ人の味覚には共通性があるのではないか。

タイの日本式カレー店ココイチ.jpg
日本の外食チェーンが広く受け入れられている。タイにはタイカレーが存在するが、日本式のカレーも好評。味覚の共通点は多い?

第三にユルい。やはり現地の人が言うには、タイにもちゃんと法律はあるが、あまり守られない。歩道をバイクで飛ばしているのには驚いたが。この点ではルールをきちんと守る日本とは対極にあるのかもしれない。かと言って、無法の世界かというとそんなことはない。最初に礼儀正しいと書いたけれど、細かいことは気にせずに、それでも何とかうまくやっていける世界という感じだろうか。日本人も本音を言えば、こんな社会を望んでいるのかもしれない。

こんなことを書いているうちに、またタイに行きたくなってきました。


タイの適度にゆるい犬.jpg
礼儀正しく、適度にユルい。
タイは犬にとっても日本よりずっとのびのびできる環境かもしれない。

Posted by Sakurai

日本では数少ないデザイン・マーケッター。
トリニティでは、新興国のリサーチの現場を這い回る事もしばしば。
日本の「匠」を世界に知らしめる事に命を懸ける!

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